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世界遺産関連

三保松原には伝説の天女物語に出てきた羽衣の松があり 付近には神聖な神の道と御穂神社があった

2017-09-11T00:01:55+09:00 2017/09/11

皆さんは、羽衣伝説というものをご存知でしょうか?

人間と天女の物語で、絵本やアニメ、近年では勇者ヨシヒコというドラマのキーキャラに、この羽衣伝説が天女が使われるほど、現代でも日本人に親しまれています。

羽衣伝説は、日本各地で物語がありますが、もっとも有名なのが静岡県清水区、三保の松原が舞台となった羽衣伝説です。

この舞台となった三保の松原は、松原から見える富士山の景色は絶景だとされ、世界遺産登録されています。

そして、2009年に三保の松原の近くにある、御穂神社に続く道「神の道」が作られ、観光スポット整備や、増築が進んでいます。

羽衣伝説について

まず初めに、知らない人または、昔聞いた事あるけどうろ覚えという方のために一般的に、知られている羽衣伝説の話しをします。

男が歩いていると、川で水浴びをしている天女を見つけます。

天女はとても美しく、男はその美しさに心を奪われてしまい、天女の羽衣を隠します。

羽衣がないと天女は帰れません。

そして、男は天女に結婚をしてくれたら羽衣を返すと、交換条件を出します。

天女は仕方なく、男と結婚をし、二人の男女を産みます。

ですが、男は一向に羽衣を返してくれません。

天女はしびれを切らし、ある日男が留守の時を見計らって、家の中を捜索し、羽衣を見つけ天に帰ってしまいます。

これがよく知られている羽衣伝説です。

この話の後日談があり、あの有名な七夕伝説です。

天女と男が織姫、彦星という流れになり、天に帰ってしまった妻を追いかけてきたとなります。

この後日談も、地方によって変わっているため確かなものはありません。

ちなみに、下の文は、静岡県の伝統やみどころについてのサイトから拝借した羽衣伝説の現代語訳です。

三保に白龍(はくりょう)という名の漁師がいました。
今朝も三保の松原で釣をしておりました。
見慣れた浜の景色ですが海原に浮かぶ春の富士はとりわけ美しく見えました。

と、どこからともなく、えもいわれぬ良い香りがしてきました。
香りに惹かれて行ってみると一本の松に見たこともない
美しい衣が掛かって風に揺れていました。

「何てきれいなんだろう。持ち帰って家の宝にしよう。」
そういって衣を抱え家に持ち帰ろうとしたその時です。
「もし、それは私の着物です。」
木の陰に美しい女の人が立っていたのです。

「私は天女です。その衣は羽衣といってあなたがたにはご用のないものです。
どうぞ返して下さい。それがないと天に帰れません。」
白龍はこれがかの天の羽衣かととても驚きましたが、
天女の悲嘆にくれた姿を見て羽衣を返す気持ちになりました。

「返すかわりに天人の舞を舞って下さい。」
天女は喜んで承知しましたが
「羽衣がないと舞が舞えません。まず羽衣を返して下さい。」と言うのです。

白龍はふと思いました。羽衣を返せば舞を舞わずに帰ってしまうのではないか。
すると天女はきっぱりと答えました。
「疑いや偽りは人間の世界のことで天上の世界にはございません。」

この言葉に白龍は自分がすっかり恥ずかしくなりました。
羽衣を身にまとうと、天女は優雅に袂を翻し、舞いを舞いはじめました。
どこからともなく笛や鼓の音が聞こえよい香りが立ちこめます。
白龍があっけにとられて見とれているうちに天女はふわりふわりと天へと上り
だんだん高くなったかと思うとみるみる内に愛鷹山から
富士の高嶺に、霞にまぎれて消えていきました。

となっています。

世間で一番広まっている話とはちょっと違ってるのがわかります。

私が話した羽衣伝説は、羽衣を隠して妻にまでしてしまいますが、松原に伝わっている伝説だと、返してくれるし、踊るったり歌ったりするだけでいいようです。

私の予想ですが、最初の物語だとあっけないため、絵本向けにしたり、紙芝居などにしていくうちに、変わっていってしまったのかなと思います。

この物語が広まってから、三保の松原の知名度も上がったと言われています。

羽衣伝説は、能にもあり、天女の美しさを強調した舞だそうです。

ちなみに、この羽衣の舞を完成させたのは、フランスの舞踏家エレーヌ・ジュグラリスという女性で、羽衣に心惹かれた彼女は、独自に研究を重ね、試行錯誤を繰り返し、舞を完成させたと言われています。

この事から、日本の伝統芸能の舞は、日本人だけの力や技術でなく、世界の人々の力も借りて、作り上げられていた事がわかります。

舞台となった場所

松原には、広い駐車場がそこに停めて、歩いて浜に向かいます。

駐車場に止めると、看板が近くにあるので、看板に従っていけば迷うことなく浜に行けます。

案内看板の写真

羽衣の松に向かっていけばいいと思います。

この、みほナビというのはみほの見どころや紹介をしている店が3軒並んでいるんですが、私が行った時は、改装中で空いてませんでした。

回覧板に従って少し歩いていくと、お土産屋さんが立ち並んでいる、商店街のような場所にでます。

お土産は静岡名産ひよこっこや、うなぎパイなどが売っています。

土産屋さん写真

マスコットキャラのあべかわベアの写真

マスコット三保のキャラのパネルがありました。

さきほど話した、羽衣伝説が看板のように絵で表現されています。

土産屋の上に五枚の絵物語のパネルがある

向かいのお土産売り場には、アイスやジュースが売っています。

アイスクリームの看板

こちらのお土産屋さんは、干物や、クッキーなどの食べ物中心に売っていて、キーホルダーやグッズ的なものはあまり売っていませんでしたが、乾き物が多く売っていたので、こちらで買い物しました。

静岡といったら、さくらエビですので、さくらえび煎餅をおみやげに買いました。

桜エビせんべいの写真

桜エビせんべいの箱の裏写真

桜エビせんべいの中身の写真

浜へ

坂を登って浜に向かいますが、

坂の近くに三保ホテルというホテルがあります。

ホテルの写真

よく見ると、このホテルの入り口に銅像があり、これは物語に出てきた白龍さんです。

このホテルのすぐ前に、浜に続く坂があります。

なだらかな坂道の写真

階段をのぼりきると、松がたくさん並んでいる景色が広がります。

松林の写真

そして、左側に3メートルぐらいの巨大な石碑があります。

これは、記念碑のようです。

石碑の写真

松の林を進んでいくと、羽衣伝説の舞台となった松があります。

羽衣の松の写真

実はこの松は、三代目の羽衣の松なんです。

初代は、(宝永4年)富士山の噴火で被害にあい、倒れてしまいました。

その後、二代目の松を立てたのですが、2010年(平成22年)に、立ち枯れが進んだことから、三代目の松の木を立てる事になり、今の松になります。

少し残念な気もしますが、永遠にものがあり続けるなんて事は、不可能ですのでしょうがない事です。

でも、そのまま枯れた状態にするより、キレイな松にしてあげる事は、伝統や文化の美しさを受け継いでいける事にもつながります。

羽衣の松をすぎると、通り過ぎると海が見えてきます。

松原の海の写真

それと、小さい社も発見しました。

羽車神社といいます。

羽車の神社の写真

羽車に乗って三保の浦に降臨した神を国土和平のため御穂神社に鎮座し、離宮として羽車神社が設けられたと伝えられており、江戸時代には羽車磯田社と呼ばれていたという。

現在の羽車神社は1956年の再建。

羽衣の松に降臨した神は、神の道を通って美保神社へ渡るのだといいます。

この社の隣に誕生日ごとのおみくじがあります。

おみくじの写真

私の誕生日の日があったので、おみくじを引いてみました。

内容は、当たらずし遠からずと言った感じ。

ただ、性格や人格についての記述は、当てはまらないような気がしましたが、おみくじに書いてある通りの人格者になれたらとは思います。

おみくじって、いいことしか書いてないって言う人がいますが、それでいいじゃないかと思います。

悪いことや、不安な事があるからおみくじを引くのであって、そこにも悪い事や嫌なことがあったら、逃げ場がありません。

どんな人間にも逃げ場や癒やしが必要です。

植物に、潤いが必要なことと一緒です。

そこに書いてある事がすべてではありませんし、ここはひとつ、癒やしと思って受け入れてみるのはどうでしょうか。

一枚100円ですので、興味のある方はどうぞ。

浜の写真

この日は天気もよく、夕方に行ったので暑くなく、潮の香りと風が気持よかったです。

きれいな浜と海で、足ぐらいだったら入っている人たちがいます。

遊泳は禁止されているので、ご遠慮ください。

海と空の写真

砂も結構細かくて、きれいです。

砂浜の写真

富士山のほうが曇りだったので、見えなかったのが残念でした。

空と浜の写真

晴れていると富士山がこのようにみえるようです。

富士山の見えている松原の写真

この写真は、改装中の工事現場を囲ってるパネルの写真です。

神の道

浜も見たあとは、神の道に向かってみました。

神の道の入り口の写真

最近できただけあって、整備されていてきれいです。

神の道の注意事項の看板

神の道は、右側通行のようです。

神様が歩く道であろうと、交通ルールはあるなんて、神様だって守っているんですから、私達も、交通ルールを守らないといけませんね。

神の道の途中の写真

この神の道は、松原へと続く道に純木を使った道で、2009年に誕生しました。

夜は、道の両脇に照明がつき、足元を照らし夜間でもこの景色を楽しむことができるようになっていて、地域の人や旅行者の方への配慮も上がりました。

暗い松並木の間をやさしく照らすライトはとても神秘的で、富士が見える日中もすばらしいですが、ライトアップされた神の道も、とても美しいものとなっています。

和歌のかかれた看板の写真

歩いていると、和歌がかかれた看板がありました。

神の道は、思ったよりも長くなく、歩きやすい道となっているので、子供や年配の方でも問題なく、渡りきることができると思います。

歩ききった先に御穂神社がありました。

三穂神社

御穂神社の入り口写真

御穂神社は、古くから三保の地域を見守ってきた羽衣伝説ゆかりの神社で、羽衣の切れ端が所蔵されていると言われています。

朝廷や源氏、今川氏、武田氏、豊臣氏、徳川氏など、多く武将に崇敬されていました。

特に徳川幕府は、造営資金を援助もしており、そのおかげもあって今も、昔と変わりない形を残していると言われています。

また、春は桜の名所、夫婦和合・縁結びのパワースポットとしても人気があります。

御穂神社の中の社の写真

ここの神様は、三体いる(大まかにわけて)といわれていて、一番大きい社の神様は夫婦和合縁結び、他の2体は安産子育て(きれいで健康な頭の良い子)、福徳医薬の神、また航海安全、漁業、農業、文学等の神様です。

社の案内看板の写真

横長の社の写真

この社は安産や、子宝の社です。

案内看板の写真

社の写真

そして、こちらは八雲の神々の社で、社会を守る神様と言われています。

守ると言われても、ピンと来ないかと思いますが、簡単に言うと人間関係や会社での昇進など、社会生活を円滑に勧めてくれたり、悪い気をこないようにしてくれるといったものです。
出口の写真

では、また神の道を通って帰ろうと思います。

今の現代は、神様や伝説を信じる人達は少ないし、話題にもなりません。

それよりも、芸能人の嘘か本当かわからない私生活や、政治家の公演内容を信じるほうが、現実的で、建設な行動とされています。

絵馬をかくひとも少なくなっているそうです。

私は、こういう神社にや伝説の地に来たりするのは、昔の自分を思い出すためだと思っています。

子供頃に神社にきて願ったこと、家族や友人、または一人になって考えたい事あってきた等を、現代社会にから離れていた自分と重ねて、再度自分を見直す場といった感じでしょうか。

お墓参りも、そういう意味合いがあるといわれています。

他人の生活をみるのも、社会で生きていくうえでは大切かと思いますが、自分自身を見直す事や、昔の自分を思い出すのも大切かと思います。

そういう意味で、こういう場所に行ってみてはいかがでしょうか。

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